ゲーミングPCにセキュリティソフトは必要か?結論は保険として推奨

alt="ゲーミングPCにセキュリティソフトは必要か?結論は保険として推奨"

念願のハイスペックなゲーミングPCがついに届いた!これから最高のゲームライフが始まる……と胸を躍らせる一方で、ふと頭をよぎるのが「セキュリティソフト」の問題ではないでしょうか。ネットで検索すると「Windows標準で十分だから不要」という意見もあれば、「絶対に入れるべき」という意見もあり、どちらを信じるべきか判断に迷ってしまいます。

月額数百円とはいえ、固定費は決して軽くありません。「もし本当に不要なら、その分のお金を新しいゲームやスキンの購入に充てたい」というのが本音でしょう。しかし、万が一ウイルスに感染し、大切なSteamアカウントが乗っ取られたり、PCが起動しなくなったりするリスクを考えると、無防備な状態でネットに繋ぐのは不安が残ります。この記事では、そんな迷いを抱えるあなたのために、ゲーミングPCにおけるセキュリティ対策の正解を、ゲーマー視点で分かりやすく解説します。

記事のポイント
  • Windows Defenderと有料ソフトの決定的な性能差
  • 特に有料ソフトを入れるべき「3つのパターン」
  • ゲームプレイを邪魔しないおすすめの有料ソフト
  • 誤検知でゲームが起動しない時の正しい対処法
目次

ゲーミングPCにセキュリティソフトは必要か?結論は推奨

青色のライティングの部屋で真剣にPCゲームをプレイする日本人男性

結論から申し上げます。ゲーミングPCにおいて、市販の有料セキュリティソフトは「動作に必須」ではありませんが、高価な機材とアカウントを守るための「保険」として導入することを強く推奨します。

確かに、PCの知識が豊富で、怪しいサイトを一目で見抜けるような上級者であれば、Windows標準の機能だけで十分に運用可能です。しかし、もしあなたが「セキュリティの知識に自信がない」「万が一のトラブル時に自力で復旧できるか不安」と感じているなら、迷わず有料ソフトを入れておくべきです。その理由を、標準機能との違いや、近年のウイルスの巧妙な手口と合わせて深掘りしていきましょう。

Windows Defenderと有料版の決定的な違い

Windows標準の「Microsoft Defender」は、検知能力だけで言えば有料ソフトと遜色ないほど優秀です。「Defenderは役に立たない」という古い常識は、もう捨ててしまって構いません。

では、なぜ有料ソフトが必要なのでしょうか? その理由は「守備範囲」と「サポート」の差にあります。Defenderは侵入した敵と戦う「門番」ですが、有料ソフトは詐欺サイトのブロックや通信の暗号化など、トラブルを未然に防ぐ「城壁」や「見張り台」の役割も果たします。

また、万が一の際に電話やチャットで相談できるサポート体制も有料版だけの特権です。すべて自力解決が求められるDefenderに対し、この「安心感」と「予知防衛」にお金を払う価値があるかが、判断の分かれ目になります。

スクロールできます
機能Windows Defender
(標準機能)
有料セキュリティソフト
(ESET・ノートン等)
ウイルス検知・駆除◎(優秀)◎(優秀)
危険なサイトのブロック
(フィッシング詐欺など)
△(ブラウザ依存)◎(強力にブロック)
ID・パスワード管理×◯(専用機能あり)
誤検知の少なさ△(ゲームを止めがち)◎(ゲームモードあり)
サポート体制×(自力解決)◎(電話・チャット対応)

高性能なPCほど「無症状の感染」に注意

ゲーミングPC内部で稼働するグラフィックボードと冷却ファンのアップ

「自分はウイルスになんて感染したことないし、PCも重くなっていないから大丈夫」と思っている人ほど、実はリスクが高い可能性があります。かつてのウイルスは、画面に奇妙な画像を表示したり、勝手に再起動させたりといった、愉快犯的・破壊的なものが主流でした。そのため、感染にはすぐに気づくことができました。

しかし、現代のサイバー攻撃の目的は「金銭」です。攻撃者は、ユーザーに気づかれないよう徹底的に「正常なフリ」をしてPC内に潜伏します。特にゲーミングPCならではの、恐ろしい「無症状」パターンが2つ存在します。

1. マイニングウイルスの寄生

攻撃者があなたの高性能なグラフィックボード(GPU)を勝手に利用し、仮想通貨のマイニング(採掘)を行うケースです。厄介なのは、発覚を防ぐためにGPU使用率を「20%〜30%」程度に抑えて稼働させる点です。

ゲーミングPCはスペックが高いため、裏でリソースを盗まれていても、YouTube視聴や軽いゲーム程度では重さを感じません。その結果、ユーザーは感染に気づかないまま電気代が上がり続け、大切なグラボの寿命だけが削られていくことになります。

2. スティーラーの一撃離脱

情報を盗み出すとすぐに消えるタイプです。PCに侵入した瞬間、ブラウザに保存されたパスワードやセッション情報(ログイン状態)をコピーして外部送信し、直後に活動を停止(または自己消去)します。

PCの動作に影響はありませんが、数週間後に突然SteamやDiscordのアカウントが乗っ取られます。「何もしていないのに!」と思うかもしれませんが、実は数週間前に一瞬だけ感染していたのです。

このように、近年のウイルスは体感(自覚症状)だけで見抜くのは不可能です。だからこそ、ソフトウェアによる常時監視が必要になるわけです。

(出典:独立行政法人情報処理推進機構『情報セキュリティ10大脅威 2024』

特に有料版が「必須級」になる3つのケース

カフェでゲーミングノートPCを使用する日本人大学生

基本的には「保険として推奨」というスタンスですが、以下の3つのパターンのいずれかに当てはまる場合は、PC環境を守るための「必須装備」として、有料ソフトの導入を強く推奨します。

1. MODや海外サイトを利用する場合

「Minecraft」や「Skyrim」、「GTA」などで、公式以外の場所から海外製MOD(改造データ)や日本語化パッチをダウンロードする際は、セキュリティソフトが不可欠です。

個人のブログや海外掲示板で配布されているファイルは出所が不明瞭なものが多く、便利なツールに見せかけてウイルスが仕込まれているリスクがあります。Windows Defenderでは検知しきれない「新種の脅威」や、圧縮ファイルに隠蔽されたマルウェアからPCを守るには、専門のソフトが必要です。

2. 家族と共有する・リテラシーに不安がある場合

自分以外の家族(特にお子様や高齢者)もPCを使う場合、あるいは自分自身が「Amazonなどを騙る偽メールを見分ける自信がない」「突然の警告画面に焦ってクリックしてしまいそう」という場合は、導入しておくべきです。

有料ソフトは、危険なサイトへのアクセスを試みた時点で警告画面を表示し、ブロックしてくれます。誰かがうっかりクリックしても、ソフトが水際で事故を防いでくれるのです。

3. カフェなどのフリーWi-Fiを頻繁に使う場合

ゲーミングノートPCをカフェやホテルに持ち込み、不特定多数が利用するフリーWi-Fiに接続する人は要注意です。暗号化されていない、あるいはパスワードが公開されているWi-Fiでは、通信内容を盗み見られるリスクがあります。

多くの有料ソフトには「VPN(仮想プライベートネットワーク)」機能が搭載されており、これを利用することで通信を暗号化し、外出先でも安全にネット接続が可能になります。

「ソフトを入れると重い」は過去の常識

ゲーマーがセキュリティソフトを敬遠する最大の理由は、「ゲームの動作が重くなるから」でしょう。確かに、Windows 7やXP時代のPCはスペックに余裕がなく、ウイルススキャンが始まると操作に支障が出るほど重くなることがありました。

しかし、それは過去の話です。現代のゲーミングPCに搭載されているCPU(Core i7やRyzen 7など)や、16GB以上のメモリ容量があれば、セキュリティソフトがバックグラウンドで動作していても、パフォーマンスへの影響は微々たるものです。今のPCスペックは、セキュリティソフト程度の負荷で処理落ちするほど弱くはありません。

現代のゲーマーが警戒すべきは「重さ」ではなく、ゲームの重要な局面でデスクトップに戻される「通知ポップアップ」です。これさえ対策された「ゲームモード」搭載ソフトを選べば、導入していることを忘れるほど快適にプレイできます。

BTO付属の体験版は削除せず期間まで使う

ドスパラやマウスコンピューターなどでBTOパソコンを購入すると、マカフィーやノートンなどの「体験版(30日〜90日版)」がプリインストールされていることがあります。「課金するつもりはない」「邪魔だ」と、届いた初日にアンインストールしてしまう方もいますが、少し待ってください。

せっかく無料で利用できるのですから、まずは有効期限まで使ってみることをおすすめします。その期間中に「ゲームプレイに影響はないか」「誤検知などのトラブルは起きないか」をテストするのです。もし不要だと感じれば期限切れのタイミングで削除してDefenderに戻せば良いですし、「守られている安心感が欲しい」と思えば更新(または他社ソフトへ乗り換え)を検討すればOKです。先入観を持たず、まずは試してみましょう。

また、セキュリティソフト以外の初期設定については、以下の記事でも詳しく解説しています。PCが届いたばかりの方はぜひ参考にしてください。

ゲーミングPC届いたら即確認!必須の初期設定

無料版の性能は標準機能と大差がない

「有料は避けたいが、標準機能だけでは不安」という理由で、AvastやAVGなどの「無料セキュリティソフト(フリー版)」を導入するのは、あまりおすすめできません。これらの無料版は機能制限がかかっており、基本的な防御性能はWindows Defenderと大差がないケースが多いからです。

それどころか、無料版は「有料版への誘導」を目的としているため、起動時やスキャン後に広告ポップアップが頻繁に表示されます。ゲームのクライマックスで広告が表示され、操作を阻害されるのはゲーマーにとって最大のストレスです。中途半端な無料ソフトを入れるくらいなら、広告が一切出ないWindows Defenderのままにしておく方が、ゲーミングPCとしては正解です。

最も重要なウイルス対策は「人の行動」

有料ソフトの導入を迷っている方は、以下の「具体的な対策」を常に自分で徹底できるかチェックしてみてください。これが面倒・不安だと感じるなら、ソフトに任せたほうが安全です。

  • URLの目視確認:
    メールや検索結果のリンクが、公式のもの(例:amazon.co.jp)か、偽物(例:amaz0n.co.jp)か、一文字単位で確認する習慣をつける。
  • 拡張子の確認:
    ダウンロードしたファイルが、画像に見せかけたプログラム(例:photo.jpg.exe)になっていないかを確認してから開く。
  • 警告への冷静な対処:
    ブラウザで「セキュリティ証明書に問題があります」と出たり、偽の警告音が鳴ったりしても、焦らずタブを閉じる冷静さを保つ。

これらは現代のウイルス感染を防ぐための基本動作です。有料ソフトはこれらを自動でブロックしてくれますが、導入しない場合は「全て自己責任」で判断する必要があります。

ゲーミングPCにセキュリティソフトは必要か?推奨製品と設定

セキュリティソフトで保護されシステムが正常に稼働しているゲーミングPCデスク

ここまで読み、「やはり対策が必要だ」「MODを入れて遊びたい」と感じた方へ。いざ有料ソフトを導入しようとしても、種類が多く迷ってしまうことでしょう。ここでは、ゲーマー目線で厳選した「失敗しない」おすすめソフトと、導入後の必須設定について解説します。

快適に遊べるセキュリティソフト選びの「3つの基準」

ゲーミングPC用のセキュリティソフト選びで失敗しないためには、以下の3点を基準にしてください。

  • 1. ゲームモード(サイレントモード)搭載:
    これが最重要です。ゲームを全画面プレイ中、通知や定期スキャン、アップデートを自動で停止する機能です。これがないと、ランクマッチ中にポップアップが表示され、ゲームが中断される事故が起きます。
  • 2. 動作の軽さ:
    PCが高性能でも、ソフト自体は軽いに越したことはありません。メモリ消費量が少なく、CPU負荷の低い設計のものを選びましょう。
  • 3. マルチデバイス対応(コスパ):
    最近は「1つのライセンスで3台〜5台まで」といった製品が多いです。PCだけでなく、スマホやタブレットもまとめて守れる製品を選ぶと、コストパフォーマンスが非常に高くなります。

おすすめセキュリティソフトはESETとノートン

上記の基準をクリアした、ゲーマーにおすすめできるソフトは実質この2択です。

動作の軽さを最優先するなら「ESET」

「とにかく軽いソフトが良い」というゲーマーから圧倒的な支持を得ているのが、キヤノンが販売する「ESET(イーセット)」です。最大の特徴は、驚くほど動作が軽快なこと。余計な機能が削ぎ落とされており、ゲーム中に裏で動作していてもFPSへの影響をほとんど感じさせません。

「検出率」などの性能面でも世界的な評価が高く、まさに「縁の下の力持ち」です。複数年版の価格も手頃で、PCのパフォーマンスを最優先したい人や、コスパ重視の人に最適です。

ゲーム特化機能で選ぶなら「ノートン」

世界シェアNo.1のブランド「ノートン」には、「ノートン 360 for Gamers」という、ゲーマー専用エディションがあります。「ゲームオプティマイザー」という独自機能を搭載し、ゲーム起動時に他のバックグラウンドアプリのCPU使用率を抑え、ゲームにPCのリソースを集中させてくれます。

また、ゲーマータグがダークウェブに流出していないか監視する機能など、ゲーマー向けの機能が満載です。最大手の安心感が欲しい人におすすめです。

DMMやSteamのゲームが起動しない原因

セキュリティソフト(Windows Defender含む)を導入していると、稀にDMM GAMESやSteamのゲームが起動しなかったり、アップデート中にエラーが出たりすることがあります。

初心者は「ウイルス入り!?」と驚くかもしれませんが、ご安心ください。これはウイルス感染ではなく、ソフトがゲームのプログラム(特にアンチチートツールなどの特殊な挙動をするファイル)を「マルウェア」と誤認してブロックしてしまう「誤検知」が原因であることがほとんどです。特にインディーゲームや古いゲームで発生しやすい現象です。

誤検知時のブロック解除・除外設定手順

ゲーミングPCの設定画面を操作するためにマウスを握る手元

誤検知が起きた際、慌ててセキュリティソフトをアンインストールしたり、機能を全停止するのは危険です。家の鍵をかけずに外出するようなもので、その隙に本物のウイルスが侵入する可能性があります。

PC全体を無防備にするのではなく、「このゲームフォルダだけは監視対象外にする」という「除外設定(例外設定)」を行いましょう。Windows Defenderでの手順は以下の通りです。

除外設定の手順(Windows Defenderの場合)

  1. タスクトレイなどから「Windowsセキュリティ(盾のアイコン)」を開く。
  2. 「ウイルスと脅威の防止」をクリックする。
  3. 「ウイルスと脅威の防止の設定」内の「設定の管理」をクリックする。
  4. 下部へスクロールし、「除外」項目の「除外の追加または削除」をクリックする。
  5. 「除外の追加」ボタンを押し、「フォルダー」を選択する。
  6. 起動しないゲームのインストールフォルダ(例:SteamAppsフォルダ内の該当ゲームフォルダ)を選択して「OK」を押す。

これで、指定したフォルダだけは監視対象外となり、安全かつ快適に遊べるようになります。有料ソフトの場合も、設定画面に「スキャン除外」や「例外設定」という項目がありますので、確認してみてください。

ウイルス感染の疑いがある時の確認方法

「PCの動作が重い」「ファンが常に全開で回る」「勝手にブラウザが開く」「身に覚えのないソフトがある」など、感染の疑いがある時は放置せず、すぐに確認しましょう。Windows Defenderを使用している場合は、以下の手順でスキャンを行います。

  1. 「Windowsセキュリティ」を開く。
  2. 「ウイルスと脅威の防止」をクリック。
  3. 「クイック スキャン」ボタンをクリックする。

これですぐに簡易チェックができます。もし検知されなくても不安が残る場合は、「スキャンのオプション」から「フル スキャン」を実行してください。時間はかかりますが、ストレージ全体をくまなくチェックできるため安心です。

まとめ:ゲーミングPCにセキュリティソフトは必要か

最後に、本記事の結論をまとめます。ご自身の環境に合わせて判断してください。

  • 有料ソフト推奨(保険):知識に不安がある人、高価なPCを長く大切に使いたい人。
  • 有料ソフト必須:MODや海外サイトを利用する人、家族と共有する人、フリーWi-Fiを使う人。
  • DefenderでOK:公式ゲームのみプレイし、URLやファイルを完璧に自力チェックできる上級者。

そして、最も大切なことをお伝えします。どれほど高性能なセキュリティソフトを入れても、警告画面を無視して「許可」を押してしまえば、ウイルスは侵入します。これを「ソーシャルエンジニアリング」と呼び、人間の心理的な隙を突く攻撃はソフトだけでは防ぎきれません。

怪しいURLはクリックしない、公式以外からファイルをダウンロードしない、不審なメールの添付ファイルは開かない。こうしたユーザー自身の「行動」と「意識」こそが、最強の防御壁となります。セキュリティソフトはあくまで「うっかり事故」を防ぐ保険として活用し、安全で楽しいゲームライフを送ってください。

合わせて読みたい

コメント

コメントする

目次